アメリカから日本へ。中古買取でも定番オーディオmarantz(マランツ)とは|オーディオ買取はエコストアレコードオーディオ買取センターへ!|世界基準の高価買取

オーディオ買取についてのコラム | アメリカから日本へ。中古買取でも定番オーディオmarantz(マランツ)とは

オーディオ買取についてのコラム | アメリカから日本へ。中古買取でも定番オーディオmarantz(マランツ)とは

アメリカから日本へ。中古買取でも定番オーディオmarantz(マランツ)とは

2023/07/31

marantz(マランツ)、それは買取・中古・新品問わず国内のオーディオユーザーの中で語られることの多いブランドの一つ。
現在は国内メーカー、と称されることが多くなってしまっているのが一つの理由かと思いますが、実はこのmarantz、その誕生はMcIntoshやJBLと同じアメリカであり、なんと今年は丁度創業から70周年というとても長い歴史を持つ世界的なオーディオメーカーです。

その昔アメリカでのMarantz Companyの時代を知る方にとっては常識かもしれませんが、今回はどのように生まれ、そしてどのように現在の日本のmarantzまで歩んできたのか、ご紹介できればと思います。

創設から波乱万丈の買収劇へ、marantzの歴史

 

marantzというブランド名は、JBLやMcIntoshと同じく、創設者のSaul B. Marantz氏に由来します。
1911年、彼はブルックリンで生まれ、その後少年時代に電気に興味を持ち、またギターやチェロも演奏しレコードの収集家でもあり、その後の職業はデザイナーでもあり電気技術者でもあるというとても多才で、音楽をこよなく愛する人生を歩みます。

第2次世界大戦での服役後、とあるスタジオエンジニアの依頼からプリアンプの開発を開始。当時のアンプの性能に満足できず、加えてまだレコードのフォノイコライザー特性が統一されておらず、レコードに記録された音源を正確に再現することに対応しきれていないことから独自に研究を重ねていました。
そして1951年に乱立していた全てのフォノイコライザー特性を切り替えられる、彼にとって初めての製品Audio Consoletteを完成させます。当時は自宅のキッチンで妻と共に製作していたものの仲間内、さらには噂を聞きつけたオーディオ愛好家から注文が殺到。そこから製作した最初の100台はあっという間に完売し、その後も400台を越える注残となるほどの人気を博します。

 

これらの生産を間に合わせるため妻と共に1953年にニューヨーク、クイーンズのウッドサイドに小さな工場を借り、Marantz Companyを設立します。丁度同じように高性能アンプを求めて立ち上がったMcIntosh and Ingles(後のMcIntosh Laboratory Inc.)設立のおよそ7年後のことで、Saul B. Marantz氏とFrank H. McIntosh氏は終生のライバルとも言われています。

その翌年の1954年、アメリカレコード工業会(Recording Industry Association of America)によってレコードのフォノイコライザーの規格、通称RIAAカーブが制定されると、それに対応したモノラル・プリアンプ、Model1を発表します。またしても愛好家や批評家から賞賛され、当時価格で168ドルと超高級品ながら、事業化早々最高の滑り出しを見せていました。
そうして成長を遂げる中、Model7、Model9等パワーアンプの名機の開発の中心となるSidney Smith氏、当時最高峰のFMチューナーModel10Bを担当したRichard Sequerra氏など後のオーディオの歴史に名を遺す名エンジニア達を迎えながらさらなる発展を続けていき続けていきます。

しかしながら、数々の名機を生み出す中でその一切の妥協を許さない開発姿勢もあってか、1964年にはMarantz Companyの資金が底をついてしまい、Superscope Inc.にmarantzブランドは買収されることとなります。
同社は創設者であるTushinsky 兄弟によって開発されたSUPERSCOPE方式映画の普及や、1957年からはSONY製テープレコーダーの販売代理店としての業務も行っていた会社です。この買収によってSidney Smith氏、Richard Sequerra氏をはじめ、1967年まで名誉会長という形で在籍し続けたSaul B. Marantz氏もmarantzブランドから去り、それぞれ別の形でオーディオの世界へその足跡を残していくこととなります。

 

一方marantzブランドの事業は当時のSuperscope Inc.社長、Joseph Tushinsky氏へと引き継がれます。彼も元NBC交響楽団のメンバーであったりと、多才かつ熱心な音楽愛好家でもありました。これを機に、彼を中心にmarantz事業での総合音響メーカーを目指しさらなる拡大へと舵が切られることとなります。

そして時代が真空管アンプからトランジスタアンプへと移行していく中、前述のModel7の生産完了に伴い同機の真空管をトランジスタに置き換えた初のソリッド・ステート・プリアンプ、Model7Tを発表。その後もパワーアンプのModel15等、積極的にトランジスタアンプの開発も進められていきます。

そんな中、前述のSONYとの関係もあったように、他社や当時の日本企業との関わりも多く、三菱電機(DIATONE)のOEM製品として自社のスピーカーシリーズであるImperialシリーズを展開したり、ハイエンドのみならず中級コンポやレシーバーの開発へ踏み出すべく1968年よりスタンダード工業株式会社へ生産、開発を依頼することとなります。このスタンダード工業こそ、後に傘下となりながらAライン(アメリカ生産)以外の製品の設計、生産の主力となり、後の1975年に日本マランツ株式会社へと商号変更し日本でのmarantzブランドとして歴史を紡いでいった企業です。今でも中古市場でよく見かけるModel1150や、Model1250もこの頃の純国産のmarantzブランドアンプです。

 

しかし、こうした事業拡大も長くは続かず、またもやSuperscope Inc.が資金難に陥ってしまったことにより、1980年marantzブランドはオランダのPHILIPS社にアメリカとカナダを除いて売却、1990年にはアメリカとカナダの商標権・販売権も全て売却されます。2度目の買収となってしまったmarantzブランドですが、時はLPからCDへと移り変わるその中、CDをSONYと共同開発したPHILIPS傘下となることで、デジタルオーディオにおいても大きく発展していきます。最初期のCDプレーヤーCD-63、手頃な価格からCDの認知度を一気に上げることとなったCDプレーヤーCD-34、SACDプレーヤー第1号機SA-1を発表したのもこの頃です。

その後、PHILIPS傘下でも数々の生産、開発を担当していた日本マランツが2001年、商標権、営業権、海外の販売会社及びその資産を買収、再びmarantzブランドの独立を果たすとともに、2002年には同じく国内ブランドDENONと経営統合し、現在の傘下であるディーアンドエム・ホールディングスが設立されます。

こうして3度もの買収を経ながら、それぞれの時期に異なる方面で発展を遂げながら、アメリカから日本へと渡り歩いてきた総合音響機器ブランド、それがmarantzなのです。

 

時期によって嗜好も、中古買取の価値も様々、marantzの特徴

これは長く続くオーディオブランドにおいて茶飯事であるとも言えますが、同じブランドでも中心となる人物や、開発に携わるエンジニアが変わると、大枠としては各社の傾向は保っていても、その特徴は多少異なってしまうことが多くあります。さらにオーディオブランド毎の音質傾向はその開発や生産される土地柄や文化によっても傾向があるため、前述のように純粋なアメリカでの生産から、買収や事業拡大によって様々な発展を遂げてきたmarantzは、一概に一貫してこう、という特徴を述べるのは難しいのではないかと思われます。

ただし、同社がキーワードとして掲げているのが、”The Most Musical Sound”。ピュアオーディオと言われることもあるように、高級オーディオの世界では音源への純粋さを追及する傾向が多い中、直訳すると『最も音楽的なサウンド』となるわけですが、ギターやチェロの楽器演奏も出来たSaul B. Marantz氏をはじめ、現在のmarantzにおける日本人エンジニアの中にも且つてオーケストラの中でヴィオラを演奏されていた方が居たりと、技術だけではなく楽器本来の音色の理解や音楽的なセンスも兼ね備えた開発体制によって生み出される暖かく、繊細で、広がりを持ったサウンドは、一つの同社の特徴といっていいでしょう。

オリジナルもレプリカも、marantzの中古買取高額機種

Model 9SE

初期Marantz Company時代のパワーアンプの名機の1つであるModel9を、1998年に200セット限定で復刻させたレプリカモデル。

こちらModel 9SE(2台ペア)をエコストアレコードでは最大¥400,000-買取しています。

※Model 9のバリエーションは多数存在するため外見が似ていても価格が異なる場合があります。ご注意ください。

 

PM-10

2017年発売、フラッグシップモデルとなるプリメインアンプ。アナログ回路のみならず、デジタルの世界でも発展を遂げてきたmarantzが『セパレートを超えるパフォーマンスを実現できた』とコメントする程拘り抜かれたデジタルプリメインアンプとなっています。

こちらPM-10をエコストアレコードでは最大¥260,000-買取しています。

marantz高価買取のために注意したい点

主に製品としてアンプ類が多いmarantzですが、近年の大型機を除けば、歴代で重量が問題になるモデルはそこまで多くありません。しかし、だからといって扱いが容易、何も知ら無い方が適当に扱っても大丈夫ということもなく、また別の問題で大きく状態を損ねてしまっている品物も多く見かけます。

まず、Marantz Company時代の商品に関しては真空管アンプとなるため、言うまでもなくその扱いや運搬には注意する必要があります。ガラスである真空管は勿論、その真空管の足やソケットの破損等、真空管アンプである、という時点で扱いには知識が必要です。また、marantzの場合はそういった真空管アンプを保護する木製キャビネットや、金網のボンネットなども、乱暴な扱いをして傷つけたり、上に過度の重量物を載せたりして破損してしまっているケースも多く見かけます。

加えて、前回のブログ『パワー?コントロール?プリメイン? オーディオ中古買取でも重要機材、アンプ(Amplifier)とは』でもご説明しましたが、埃が砂が溜まりやすい悪環境に保管してしまっていたことにより、内部まで不純物が入り込み、使用不可となってしまう場合もあります。実際弊社に入荷した在庫の中でも動作不良の商品や、起動テスト中にショートしてしまい再起不能となってしまったmarantz製品も多数ありました。

そういった状態では買取額を大きく下げてしまう要因となるため、なるべく使用の確認が取れている状態で、悪環境に一時的に保管したりせず、なるべく早めに買取業者へ相談することを心がけましょう。

 

いかがでしたでしょうか。音楽をこよなく愛するエンジニアたちによって、アメリカから日本へ、1953年から2023年へと距離を超え時を超え受け継がれてきたmarantzのオーディオ製品達。そのあなたの家で眠っている機器が、さらに世代も越えて愛される一台になるかもしれません。
marantz製品買取のご相談、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

 

 

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