中古・買取でも定番品、オーディオブランドMcIntosh (マッキントッシュ)について
アナログオーディオを楽しむ方でも一度は目にするであろう、McIntosh(マッキントッシュ)のアンプ。弊社エコストアレコードの買取では様々なジャズやロックの名盤レコードが入荷していますが、その中の特にUS盤や、東海岸サウンドや西海岸サウンドといったアメリカンサウンドと共に語られる事の多いオーディオブランドです。
青緑のイルミネーションに黒いガラスパネル。
その特徴的なデザインからも人々を魅了し、またそのサウンドからJBLスピーカーとの組み合わせはジャズを親しむ際の王道とされ、多くのレコードコレクターにも広まっているブランドです。
古くから続く高級オーディオブランドの一つであり、また中古市場でも根強い人気を誇る製品も多数。
今回はそんなMcIntoshについてご紹介しましょう。
目次
高価買取な名機多数、McIntoshの歴史
私たちが知っている現在のMcIntosh Laboratory Inc. (マッキントッシュ・ラボ)という社名が成立したのは1951年のこと。その始まりはもう少し時代を遡ります。
創設者であるFrank H. McIntosh氏は当時ワシントンDCにてラジオ局等のサウンドシステムを設計するコンサルティング事業へ携わっていた際に、当時の既存のアンプでは求めていた仕様を満たせず、それらよりさらに優れた物を自社で開発しようと1946年にMcIntosh and Ingles社を立ち上げます。
さらにこの時期にMcIntoshにおける最重要人物の一人であるGordon J. Gow氏をエンジニアとして招き入れ、設立当初は放送機器関係のコンサルタント業を主として立ち上げた同社が、本格的に高効率・低歪率・高出力のアンプ製作へと着手していきます。
そしてその後の長い歴史、McIntoshサウンドにおいて欠かせない、代名詞とも言える『ユニティ・カップルド・サーキット』を完成させ、1946年に出願、3年後に認可され同社の特許技術となっています。
1949年、メリーランド州にMcIntosh Engineering Laboratory社として設立、初のパワーアンプである「50W-1」を発売。
現代でこそ当然の性能ではありますが、この当時において50Wを越えるハイパワー、その上で一般的な人間の可聴帯域として十分と言える20~20,000Hzの周波数レンジにおいて歪み率1%以下というスペックは驚異的でした。
こうした性能は放送業界のみならず、ホームオーディオ愛好家からも需要を集め、LP盤が登場した1950年以降、さらに優れたオーディオ機器への需要と共に人気を博していくこととなります。
1951年、ニューヨーク州ビンガムトンに移転、現在のMcIntosh Laboratory Inc.と社名を改めます。
そして同年MIT卒業したての秀才であったSidney Corderman氏が入社し、Gordon J. Gow氏の片腕としてオーディオ製品開発のさらなる発展を支えていきます。
その後1956年に現在の所在地であるチェンバーズ ストリート 2番地に移転。今もなお当時に建てられたメイン工場は健在です。
1960年代に入ると世界的にも技術革新が目覚ましく、1965年にSONYが世界初のシリコントランジスタのみで構成されたアンプを発表するなど、真空管アンプからトランジスタアンプ(オーディオではソリッドステートアンプとも呼ばれます)へ移行する流れが多く、当時も真空管を使用し、それを活かすためでもあった独自回路を搭載した同社のアンプは古いと評されることもあったといいます。
しかし、Gordon J. Gow氏は同社の製品の回路設計や先述の特許技術は、スピーカー・アンプ双方においての安全性や安定性における特性を述べた上で、サウンドクオリティにおいても勝るとして、トランジスタアンプの開発も進める中自身の信念を貫いていくこととなります。
また、この頃に独自のインクを開発し、暗いフロントパネルにゴールドの文字、特徴的な青緑色のイルミネーションといったデザインが生まれていきます。
そうしてさらにオーディオアンプとしての地位を獲得し続けたMcIntoshの製品は、かの有名なイベント、『ウッドストック・フェスティバル』や、Grateful Deadの1974年に発表された『ウォール・オブ・サウンド』システムにも採用されました。
1977年にFrank H. McIntosh氏から交代、Gordon J. Gow氏が2代目社長へと就任。80年代もさらなる特許やCDの出現による新製品の発表を続けていきます。
しかし、1989年にGordon J. Gow氏が心臓発作により他界。翌年に日本のカーオーディオメーカーClarion社の米国法人が買収します。そこでClarion社は単なる利益目的の買収では無く、当時の小山田裕社長はMcIntoshの従業員に、「私たちはMcIntoshをそのまま気に入っており、この会社を成功に導いたものを変えるつもりはない」と語り、McIntoshブランドはその伝統に加え、これを機にカーオーディオやホームシアター事業へも拡大していくこととなります。
そこからさらに幾度かの買収を経ながら、オーディオブランドMcIntoshは現代へと脈々と受け継がれています。
オーディオファンなら一度は目にする、McIntoshのデザイン
同社のアンプ類に見られる、青色のVUメーターが特徴的なデザイン。
こちらは通称『BLUE EYES』と呼ばれています。
黒のガラスパネルをベースに金文字、青や緑のイルミネーションを基調としたデザインはGordon J. Gow氏によってデザインされ、最新機種にまで採用されるMcIntoshをMcIntoshたらしめる要素の一つでもあります。
このデザインは飛行機から見たニューヨークの夜景からインスピレーションを受けたと言われています。
しかし、何故それを取り入れるに至ったのか。
それについて生前のGordon J. Gow氏は、「音楽を聴く場合には、音楽を聴く人の“emotional response for music(音楽に対する情緒的反応)”、これが生命だと思う。だからアンプはこれを大切にしなくてはいけない。そのためにイルミネーションが最もふさわしいものだと考えた」とあるインタビューの際に語っています。
つまり、デザインまで音楽鑑賞の一部に含まれると考え、拘り抜かれた結果このような特徴的なものになったようです。また『機械としての必然性』を重要視しているとも述べ、彼が思う聴き手にとってオーディオ機器として最もあるべき姿、それが反映されているのです。
独自のオーディオ回路技術から放たれる、伝統のMcIntoshのサウンド
McIntoshの音質は、所謂アメリカンサウンドの中では東海岸サウンドと呼ばれる、中低音域重視で深みのある音とされています。
それに対して西海岸サウンドとされるオーディオメーカーの一つであるJBLのスピーカーと組み合わせられることが多く見受けられます。
同じアメリカのメーカーとはいえ一見タイプが違うように思えますが、低音域の表現力に加え、大きな信号への対応に長けている等の共通項が噛み合わさり、McIntosh社自身もJBLとの組み合わせは定番であると述べるほど、アメリカンサウンドを鳴らすための王道として広く知られています。
またMcIntosh社において、製品開発は必ず従来製品のサウンド踏襲、そこからのブラッシュアップを基本とし、時代のニーズに合わせながらも伝統的なサウンドを守り続けており、現代もその唯一無二のキャラクターを求める根強いオーディオファンも沢山います。
中古・買取でも定番、McIntoshの代表機種
MC275
1961年にオリジナルモデルが発売され、1993年以降の復刻(レプリカ)を全て含めると実に10種類近くのバリエーションが存在する、真空管アンプの最高峰とも称される傑作です。
こちらは2007年発売の『ver.5』とされるバリエーション。
エコストアではこちらを¥280,000-買取しています。
※!同型番の別世代機では価格が異なるためご注意ください!
C22
こちらもMC275と同じく1962年のオリジナルに加え多数の復刻モデルが存在する人気と伝統のあるコントロールアンプです。60周年を迎えた2009年には復刻版のMC75ペアと共に60周年記念セットとしても復刻されました。
こちらは2014年に復刻されたモデル。
エコストアではこちらを¥320,000-買取しています。
※!同型番の別世代機では価格が異なるためご注意ください!
McIntosh高価買取のために注意したい点
McIntoshは特徴であるガラスパネル部分は勿論、メッキ部分や限定品での金メッキ仕様など、非常に繊細な外見であることも多いメーカーでもあります。また、大型の真空管が多数剥き出しであったり、前述の特許回路によって大型のトランス(銅線が多数巻かれた大型のコイル)が搭載され重量が重くなっていたりと、その扱いには十分注意が必要です。宅配買取や持込依頼の際には梱包や運搬に細心の注意を払い、場合によっては出張買取可能な業者にお願いするのも良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。古くからアメリカンサウンドとして人気のMcIntosh(マッキントッシュ)、エコストアレコードではオーディオ買取も随時買取依頼を受け付けています。
あなたが愛したその伝統のサウンドを、次の世代へと受け継ぐための橋渡しとなれたら幸いです。
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