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オーディオ買取についてのコラム | スピーカーの最先端、買取・中古市場でもお馴染みKEF(ケー・イー・エフ)について

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スピーカーの最先端、買取・中古市場でもお馴染みKEF(ケー・イー・エフ)について

2024/05/01

 

独特なユニットで現代のスピーカー界でも大人気のKEF(ケー・イー・エフ)、しかし中古買取でも過去の数々の優れたモデルが今でも数多く出回っています。かつては元英国放送BBC所属の技師から始まったこのスピーカーメーカーは、今日に至るまで様々な技術と実験を繰り返し、現在のKEFスピーカーの格となるUni-Q同軸ドライバーや、ツイーターに備え付けられた特徴的な星型のTangerine Waveguideにより非常に洗練された見た目に加え、確かな音楽体験を両立しています。
音質・デザイン共にまさに現代のスピーカー最前線とも言えるKEF。しかしながらオーディオマニアからしたら周知であろう、60年以上の長い歴史もあるメーカーなのです。
今回はそんなKEFについてご紹介していきましょう。

ユニークかつ最先端を追い求める、KEFの歴史

 

KEFの創設者は1925年、イギリスに生まれたRaymond Cooke氏。労働者階級の家庭に生まれ、尚且つ時はまさに第2次世界大戦の頃。海に囲まれたイギリスが海戦を繰り広げる中、成長した彼の初めての仕事は海軍の航空母艦での無線通信士でした。無線による正確なコミュニケーションが生死を分ける過酷な環境で、彼は再生音のクオリティの追及に目覚め、戦後ロンドン大学に入学し理学士号、電気工学の博士号を取得。さらには海軍時代の謝礼の殆どを高品質なオーディオ機器につぎ込むほど音響工学の世界にのめり込み、かのBBC・英国放送協会の音響設計部門へと就職します。
ここで多くの名エンジニアたちと共に音に関する様々な知識・理解を深めていき、その中で彼は録音機器の設計部門でありながら、優れた再生のためにプレーヤーよりもまずスピーカー部分の改善が必要であると確信します。

そんな中、彼は同じくイギリスの名門スピーカーメーカー、WharfedaleのGilbert Briggs氏と知り合います。Raymond氏は彼のスピーカーに関する著書を読み精通していましたが、同時にその本にはいくつか問題点があることに気付いていました。それを知ったGilbert氏は本の改訂を手伝って欲しいと依頼し、当時お金が必要だったRaymond氏は受け入れ、そのままWharfedaleに技術マネージャーとして転職することにも繋がりました。

しかしながらWharfedaleは今でも優秀なスピーカーを作り続けるメーカーではありますが、当時は科学技術やそれを使った性能の発展にあまり積極的では無く、Raymond氏が新技術や様々なアイディアをアピールしてスピーカーの発展に努めようとするも上層部は慎重な姿勢でした。伝統的なペーパーコーンからの脱却、さらには大胆なアイディアを実現するべく、彼は自身で会社を立ち上げることとなります。

 

そうして彼が見付けた最初の工場が、ロンドン南東のケント州・メイドストーンの農業用機械の製造等を行っていた金属・鋳物工業のKent Engineering & Foundry社の構内。1961年、同社のRobert Pearch氏と協力してここにスピーカーメーカー、KEF Electronicsが立ち上がったのです。古くからのオーディオメーカーの中では珍しい、創立者の名前が全くメーカー名になっていないものの一つです。

そうして同年最初の製品であるK1を発売。四角い平面型のウーファーに楕円形のスコーカー、そしてツイーターの3つがまるで顔のように配置されたなんともユニークなデザインをしています。しかしながらその材質にもこだわった当時の最先端として注目され、特に平面型のウーファーに関しては後に日本メーカーの間でブームとなる設計ではありますが、KEFがこの設計にいきついたのはそれよりも15年も前の事でした。

しかしそれだけにとどまらず、様々な手法のスピーカー、ドライバーを模索していく中Raymond氏は再びBBCと業務提携し、1964年にLS5/1Aの独占製造を引き受けます。そこからKEFは材質にメリネックスを採用したツイーターT27、ベクストレンをコーンに採用した小型ウーファー、B110を開発。この型番だけで英国のヴィンテージスピーカー好きはもう何の話だかお気づきかもしれませんが、この組み合わせこそ1975年に発売されたオーディオの世界でも大人気となるBBC公式の小型モニタースピーカー、LS3/5Aに採用されたものなのです。また、この間に世界初のコンピューターによる設計と測定を確立し、非常に高精度な製品づくりを行い、尚且つBBCが求める厳しいモニタースピーカーとしての指標もKEFを成長させた一つの要因と言えるでしょう。

 

そしてこのようにKEFの功績は自社スピーカーの開発に留まらず、他社へのドライバーユニットの供給にもあり、IMF、Rogers、Celef、Monitor Audio などの英国の著名なブランドだけでなく、Sonus FaberやWilson Audioなどの英国外のメーカーにも出荷しており、最盛期には週当たり10,000ユニットにも上る生産数だったとのこと。

そうして1970年代から80年代にかけて自社製品・他社製品向けに次々と新技術を開発、さらにはコンピューター解析を設計に用いるだけでなく、生産ラインにもコンピューター制御を用いることで安定化と均一化を実現し世界的な信用度をどんどん高めていく中、現代まで続くKEFの代名詞とも言える機構の初代が誕生します。
それが、最新の第12世代まで続く同軸型ユニット、Uni-Qドライバー
ツイーターを中低域の出力コーンの中心に据える同軸型を採用し、さらに位相特性も突き詰められスピーカーの前の何処にいても自然で精細な音像で聴く事が可能と謳われています。これを核にKEFは現在までスピーカーメーカーとしての地位を確立していくのですが、まだこの最初のころはKEFの特徴の一つでもある中心のツイーターのTangerine Waveguideは付けられていません。

 

1990年代に入り、Reference Series Model 105/3が日本で最高の輸入スピーカーと評され、ニューヨークタイムズにはヨーロッパを代表するオーディオ会社としてアメリカでも人気だと報じられるなど世界的な人気を博しますが、1992年にKEFは香港のGold Peak社によって買収され、1995年には創業者であるRaymond Cooke氏が他界するなど、転換期を迎えます。しかしながらRaymond氏によって残された「品質、誠実さ、献身、革新」というコア・バリューに象徴される確固たる指針に基づきその技術に一層の磨きをかけていきます。

2005年、KEFは1980年代後半からの研究開発を経て、従来の2倍の大きさのスピーカーと同等の低音性能を実現する技術、ACE(Acoustic Compliance Enhancement)を発表。これは活性炭で出来た多孔質ACE素材をスピーカーキャビネット内部に使用することで、ACE素材によって空気分子を吸収したり放出したりする作用から、その容積が小さくても2倍の容積と同じ性質を持つようになると謳われています。スピーカーにおいて昔から言われているセオリーとして低域をより低い音域まで特性を伸ばすためには、より大きなキャビネットが必要とされるのですが、この技術によりKEFはコンパクト、比較的小口径のUni-Qドライバーでありながらも優れた低域特性を獲得します。
その後2007年には第8世代Uni-Qドライバーのツイーター部にTangerine Waveguideが搭載されます。これによりツイーターの動き、空気の動きをさらに洗練し、高域の特性もさらなる発展を見せたのです。

KEFはこのように常に最新技術、研究を積み重ね、近年では積極的に高級ワイヤレススピーカーのラインナップも増やしていくなど、常に最先端をいくスピーカーメーカーであり続けています。

 

 

技術の結晶、KEFの特徴

ここまでKEFの歴史の中でその技術力をご紹介してきましたが、そんなKEFの特徴といえばその技術に裏付けされた精緻な音像でしょう。
同軸ユニットであることから、定位が正確に出やすい、何の音が左右の何処から聴こえるかに関しての強みは勿論ありますが、その上でさらに明瞭で正確な音像を描き出す、まさに非の打ちどころのない再生能力こそKEFの強みであると言えます。確かに、各スピーカーメーカーの目指すところはほぼ全てそうではあるのですが、やはり音楽鑑賞という体験の特性上、正確であることも勿論ながら聴いていて心地よいかどうかも重要なパラメーターとなるため、それぞれのメーカーで色々な哲学があり、異なる特性の製品が生み出されているとも言えます。
しかしながらKEFの目指すところは、高音域から低音域まで全ての音域において忠実であることと謳っており、目を閉じてサウンドに耳を傾けると、そこに深く溶け込み、あたかもその原音のそばに身を置いている様な気分を味わうことができる、そしてそれはKEFの製品において当然の権利である、と述べています。

近年ではなかなか左右一対、ステレオのスピーカーと向き合う機械も若い世代になるほど少なく、広がる音の世界というものを体験することも少なくなってしまっているのかもしれません。しかしながら、KEFのスピーカーは、音が見える、音が広がるという体験に確実にいざなってくれる、それだけの高品質なものになっています。

また、近年のKEFはデザイン面でもモダンでスタイリッシュなデザインに拘っており、配線が邪魔にならないワイヤレス製品を積極的に発売していることもあり、現代のインテリアにマッチしやすい製品が多いことも特徴の一つではないでしょうか。

 

 

中古でもまだまだ人気、KEFの高額買取機種

・XQ20

第9世代Uni-Qドライバー搭載のブックシェルフ型スピーカー。Tangerine Waveguideを搭載して2世代目ながら、その中高音域の正確さは既にこの世代でも目を見張るものがあります。

 

エコストアレコードではこれを2台ペアで¥40,000-買取しています。
※美品、各付属品揃った状態の上限額となります

 

 

・LS60 Wireless

ワイヤレススピーカーの分野でも最先端をいくKEFのトールボーイスピーカーモデル。最新のUni-Qドライバーに加え、Uni-Coreウーファーなどの技術が結集され、13㎝というスリムさながら他の大口径スピーカーにも劣らないサウンドを実現しています。

 

エコストアレコードではこれを2台ペアで¥300,000-買取しています。
※美品、各付属品揃った状態の上限額となります

 

 

KEFの買取で注意したいこと

 

最新技術で優れた性能になっている、とはいえオーディオ機器、スピーカーにおいてやってはいけないことというのは他のスピーカーと変わりません。オーディオ買取はなるべく状態の良いまま専門業者に早く買い取ってもらうのが高価買取に繋がるセオリーです。
特にヴィンテージのKEFのスピーカーでは悪環境で変形してしまうような素材のコーンであったり、劣化して破れてしまうエッジを使用していたりというようなモデルもあるため、使わなくなった、故人のものを一旦どける等で環境の悪い物置等に放置したりせず、使用できていた状態のままなるべく早く買取を検討しましょう。

 

 

また、近年のモデルになると外見面もかなり拘ったモデルが多く、傷や汚れが目立つような商品も多いです。また音が出るユニット部分保護のためのサランネットやグリルといったものが付属していない、または別売りのため購入していない事も多く、下手に放置してぶつけてコーン部分にダメージを負わせてしまっては、元々精細な設計技術によって精密な音が確保されている分、動作はしたとしてもオーディオ機器としては大きなマイナスになってしまいます。扱いには十分注意した上で、専門の買取業者に相談しましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。
常に最新技術を突き詰めて音源再生の極致へ迫らんとするKEF。その長い歴史の中の製品も当時の最先端であり現代でも需要があるモデルも多数あります。
もしそのスピーカーを手放すとき、一度オーディオ買取をご検討ください。

 

 

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