中古買取においても高価、国産高級機の代名詞Accuphase(アキュフェーズ)
Accuphase(アキュフェーズ)、それは日本のオーディオマニアの間では中古・新品・買取問わず知らない方はまずいないであろう、国産のハイエンドオーディオを代表するオーディオブランドです。
前回までに紹介してきたメーカーが70年~100年といった歴史を持つ中、昨年で創立50周年という比較してしまうと新しいメーカーではあるものの、なんとこれまでに発売した機種数は約250機、単純計算で年に5機もの新製品を出し続け、その真摯な研究体制と品質から日本のハイエンドオーディオで確固たる地位を確立しているメーカーです。
オーディオ買取コラムもサイトリニューアルと共に新たに更新され始めてから今回で10回目、満を持してご紹介させていただこうと思います。
目次
国産ハイエンドを目指して Accuphaseの歴史
Accuphaseの始まりは、1972年にトリオ株式会社の創業者である春日仲一氏、春日次郎氏の兄弟によりケンソニック株式会社を設立、そしてその中のブランド名Accuphaseとして誕生したところからになります。
春日兄弟のお二人は春日無線電機商会というラジオ受信機の部品製造から始まり、TRIOブランドでのオーディオ、更には現代にも続き、元々は海外向けブランド名だったKENWOODでのオーディオ生産を順調に行っていました。しかし大衆向け、拡大路線で大量消費の製品開発としてのTRIOやKENWOODではどこかオーディオとしては妥協を余儀なくされてしまうことから、市場自体は小さくても、音に拘り、趣味性の高い高級品を作りたいという思いからAcchuphaseは発足します。目指したのは、以前のコラムで紹介したMcIntoshのような個性溢れるメーカーであり、当時のGordon J. Gow氏の手腕も高く評価していたそうです。当時の日本では確かにオーディオ産業は盛んではあったものの、多数のメーカーが乱立し大量生産モデルが中心で、こだわりを持って世界でも一流とされる程のハイエンドメーカーは国内には殆どないような状況でした。
そうしてトリオ株式会社の中から思想を共有する同志達と共に、東京都大田区にあった春日次郎氏の自宅を事務所として設計・開発を開始。第1作目が完成するまでに1年、開発費になんと2億円、さらには現在も使われている鉄筋コンクリート製の本社ビルが建てられたのもその1年間の間だったそうです。絶対に成功させるという春日兄弟の強い決意が現れ、その為に一切妥協しなかった1年間とも言えるでしょう。
そして迎えた1973年、第一作目の製品、コントロールアンプC-200、パワーアンプP-300、FMチューナーT-100を発表。技術陣に『オーディオ技術者として満足できる製品を作れ』と号令をかけ、これらは当時価格で約15~23万円程と当初に想定した価格よりもかなり高価なものとなってしまった3台ですが、市場評価はとても高く、多くのメディアや販売店が絶賛。更に製品の仕様に保証特性を表示するユーザーに対する真摯な姿勢も大きな信頼を得る結果となりました。
ここから日本のハイエンドメーカーとして現代まで歩んでいくわけですが、その歩みも徹底したスタイルを取っています。
まず一つ目は、当時の春日兄弟による絶妙な経営。以前に紹介したオーディオブランドでも、優れた製品を生産するも経営難に陥り、ブランドが売却されながら継続する例も決して珍しくありませんでした。しかしAcchuphaseでは兄の仲一氏が営業、弟の次郎氏が技術、という連携のもと『弟が丹精込めた一級品を、兄が丁寧に扱ってくれるお店だけに卸す』という形で、当時大量生産が主流で国産高級ブランドがなかなか確立できなかった中同社を軌道に乗せていきます。
二つ目に、少人数での専門的な体制。次郎氏の自宅での開発は十数名で始まったAccuphaseですが、生産を開始した数か月後には65名まで拡大。しかしながらそこからは現在まで人数がほぼ変わらず、『会社を大きくせず、量よりも質を追求し、専門化の基本を固守する』という徹底した経営方針により、まさに少生産・高品質を守り続けていきます。
1982年、創立10年目には社名もアキュフェーズ株式会社へと変更。そこから現在にかけて更に日本のオーディオメーカーとして、業務用機器やCDプレーヤー分野に進出、またクリーン電源の発売等多数の機器を発売しますが、あくまで得意分野に特化する方針は崩さず、CDプレーヤーとアンプをメインに、上記の他にイコライザーやチャンネルディバイダー等の関連商品のみに留めています。それでいで、冒頭にも紹介したように50年間で約250機という製品開発は、常に品質と理想の追及を続けてきたからこその数字なのではないでしょうか。
その後合併やOEM等の提案も多かったそうですがこれらを全て拒否、また株式を公開せず、経営・生産共に拘るために徹底した方針を取りながら現代までその歩みを続けています。
買取でも良品多数、Accuphaseの特徴
普段であれば、こちらは弊社の高価買取を謳う為のコラムでもありますので、本来であればAccuphaseが高価であることを示すタイトルであるべきかもしれませんが、あえてここはAccuphaseだからこそ『良品』というタイトルにさせていただきました。
何故なら、Accuphaseの一番の特徴と言えば、製品の信頼性と徹底したアフターサービス。
一般的な大手メーカーでは、市場調査を元に販売価格を決定し、そこから製品設計を行っていきますが、Accuphaseでは理想の性能、最良の部品を追求した製品開発を行った結果、高級品になっている部分もあります。そしてその徹底した品質から長年使用してもトラブルも起きにくく、まさに高級品として一生ものにふさわしいあり方、その生み出される音質から求めるユーザーも多いものの、信頼性から購入に至るユーザーも多いのがAccuphaseの一つの特徴ともいえるでしょう。
開発・設計での拘りは勿論、生産の際にも一般的な工場のようなベルトコンベアーでのライン方式での組み立ては行わず、小型の台車に乗せたセル方式と呼ばれる生産で、一日約20台というペースの徹底して納得のいく作業が行われています。そうして出来た製品のテストも内部のケーブルと部品の位置関係に至るまで厳密に検査され、医療用機器まで使用した厳しいチェックを経て出荷されています。
さらに、そういった壊れにくい製品でありながら、なんと保証期間は5年間。そして本来経済産業省が推進している、一般的な電化製品の修理部品の保持期間は8年とされていますが、Accuphaseでは修理を受け付けている中で8年など優に越した10年以上前の製品が9割と言われており、仮に部品が無くなってしまった製品も代替品を使って修理し、特別な故障以外は全ての製品が修理可能となっています。
そのため、購入して例え壊れてしまっても、決して安い修理費では無いものの修理して使い続けるユーザーも多くいます。またそういった故障・修理の履歴はシリアルナンバーと共に保管されており、まるで医療でのカルテのように問い合わせの度に対応できるようになっています。
そのため、中古買取の中でも、遺品として各環境下で放置されてしまったり、乱雑な扱いをされてしまったものを除き、オーディオ愛好家のお客様の持ち込まれる買取商品で、動作状態の悪いものがあまり見かけないように思います。中古市場でも『良品』の状態で現存している製品が数多く存在する、それもまたAccuphaseならではの特徴なのかもしれません。
中古でもまだまだ現役、Accuphaseの高額買取代表機種
E-650
2017年11月発売の、フラッグシップモデルのプリメインアンプ。独自のボリューム調整方式AAVAを更に応用したBalanced AAVAを採用、更に電源部にも専用のものを開発して組み込まれた、プリメインアンプとして最上級の一品。
こちらをエコストアでは最大¥510,000-買取しています。
C-3800
Accuphase 40周年記念モデルのうちの一台であるコントロールアンプ。先程のE-650と同じくBalanced AAVAを採用し、増幅回路のみならず電源トランスも左右独立という拘りようもさることながら、天然木を使用した筐体からも高級感を醸し出すモデルです。
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Accuphase高価買取のために注意すべき点
沢山のこだわりが詰められ、とても高い品質で生産されているAccuphase。中古買取でもまず高価買取になることも多いです。しかしながら、そんな壊れにくいと言われるAccuphaseも、他のオーディオ同様高価買取のために注意したい点があります。
まず特にパワーアンプ、プリメインアンプ等で注意すべき点となるのが、機器自体の重さです。妥協のない製品開発の結果重量の大きいパーツや筐体を採用した結果、総重量が非常に重くなってしまっているモデルも多いです。そのため、所持していたご本人様であれば買取の際に人を呼んだりして二人以上で運ぶことを手配できるかもしれませんが、遺品などでご遺族の方が整理しなければならない場合、扱いも分からず、持ってみた感じのその重さだけでどうしたら良いか分からなくなってしまうケースもあるでしょう。
そういった場合、二人以上で運んで移動させても良いですが、まずはそういった撤去、移動も含めて専門の買取業者に相談してみましょう。こういった重量のある機器に関しては持ち方や置き方によっても破損してしまう可能性が出てくるため、専門家に任せるのが一番無難かと思います。
また、重いAcchphaseを宅配買取等で査定してもらう場合、勝った時の箱や、修理をお願いした際の通い箱がある場合は、それに入れて送れば安心かと思われますが、それ以外の段ボール箱の場合、余程しっかりしたものでないと運搬中に底が抜けてしまったり、集荷の際に重量オーバーで集荷拒否となってしまう可能性もあります。その為、申し込みの際などできちんと型番を控えて伝え、余裕があれば型番を検索して公式サイト等に載っている本体重量も調べた上で相談しましょう。
次に、ここまでのメーカー紹介記事でも何度かご紹介している通り、不要になった段階でなるべく早く買取の相談をしましょう。オーディオ、特にアンプ類はある程度の頻度で通電していないと何処か不具合が出てしまう可能性もあるもの。動作が確認出来ていた状態から変化してしまわないうちに、倉庫などの悪環境に放置したりせず、いち早く専門の関取り業者に問い合わせましょう。
加えてAccuphase製品の中には、本体に別売りの追加モジュールを搭載できる機器も存在します。中古買取の際、この追加モジュールの有無、どんなものが付いているかによって買取価格が異なることを考慮しておきましょう。Accuphaseの場合同じ型番で検索して価格の上下動が見られた場合、そういった追加オプションによる違いの可能性があります。
同様に、付属品が付いているかついていないかも価格が変わる条件になりますが、こちらは説明書や電源ケーブル、リモコンなど、オーディオに触れたことが無い方であっても分かる範囲でなるべく付属させておくことが高価買取の重要な要素と言えるでしょう。
そして最後にどうしても自分たちで一時的に移動や梱包をしなければならない場合、プラスチック部品の破損に注意しましょう。基本的に金属製や木製のしっかりした筐体のAccuphaseですが、それでもスピーカーターミナル、一部のスイッチ・ノブなどはやはりプラスチックの為ぶつけたりすると破損しやすいのと、地味に経年劣化しており破損しやすいのが、開閉可能な前面パネルの破損です。これを閉じた状態で内部で固定するパーツもまたプラスチックで出来ているため、万が一運搬時に服などに引っ掛けてしまうと、経年劣化で脆くなっていて壊れやすく、前面パネルが閉じない・開かない状態になってしまうケースもあります。折角その他の機能は問題なく使えており、Accuphaseで正式に修理できるような故障だとしても、やはりそういった破損は買取ではマイナスとなってしまう点になるため、梱包なども含め、扱いには十分注意しましょう。
いかがでしたでしょうか。
日本が誇る高品質オーディオ、Accuphase。あなたが信頼を寄せたその素晴らしい機器たちは、この先も長く誰かの元でその真価を発揮し続ける事でしょう。
その次への架け橋として、エコストアレコードがお手伝いできれば幸いです。
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