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オーディオ買取についてのコラム | 中古買取でも希少高額多数、歪み(ひずみ)エフェクターとは

オーディオ買取についてのコラム | 中古買取でも希少高額多数、歪み(ひずみ)エフェクターとは

中古買取でも希少高額多数、歪み(ひずみ)エフェクターとは

2023/10/10

 

中古買取されるエフェクターの中で最も割合の多いといっても過言ではない分類、歪み系。
かつてはギターアンプに大きな入力信号を入れることでドライブさせる所から始まり、今やギターだけでなくベース、そしてミックスやマスタリング、更にはレコードの再生音質やオーディオアンプにおいても歪みという概念は重要な要素となっています。そんな信号の歪を意図的に操るための追加回路、それが歪み系エフェクター。
今回はそんな歪み系ペダル、オーバードライブ・ディストーション・ファズ等について、今一度おさらいしていきましょう。

 

魅惑の破壊音、音を歪ませるとは

そもそも一般の方からしたら、歪み、を『ゆがみ』ではなく『ひずみ』と読むこと自体、さほど馴染みは無いのではないでしょうか。こういった読み方をするのは、電気回路やその他信号を扱う専門家か、ギター・ベースなどの電子楽器を嗜む方が殆どでしょう。中にはこういった歪み自体を音で聴いても感知できない方もいます。
ではその歪みとはどういうことなのか。それはまず波の形をしている信号が具体的にどう変化するのかを見ていくと分かりやすいと思います。


まず、仮にこういった音の信号が楽器などから発せられ、アンプやエフェクターなどに入力されたとします(簡易的に作成した図のため、既に変にゆがんだ波形になってしまっていますがご容赦ください)
そして、アンプやエフェクターなどの回路では、この入力、もしくは出力信号の大きさに対して限界値があり、それを越えてしまうような大きさで入力された信号は次の図のように頭打ちにされたような、山の頭が四角くなった波形に変化します。これをクリッピングといいます。


この現象自体は歪みやクリッピングと言わずとも、楽器やエフェクターへの関わり関係なしに多くの人が体験したことのあるであろう現象でもあります。それが『音割れ』です。
街で大音量で発せられている選挙カーや宣伝トラックの音声、または刑事ものやミリタリーの映画などで出てくる無線で大声で話す声が、ジリジリとしたような、何処か元の音声がはっきりと聞き取りづらいような音になってしまっているものを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。また、最近ではネット配信やボイスチャットなどでも大きな声が出てしまった際に『音割れしている』と知らず知らずのうちに使っている言葉かもしれませんが、実はギターやベースの音作りで重要となる歪みの正体をだいぶざっくりと表現してしまえばこの音割れ=クリッピングという現象なのです。

これは、確かに回路に負荷がかかりますし、ここから増幅したとしても元の波形が違うものになってしまっているということで、楽器ではないリスニングオーディオの世界では基本的には忌避されるような現象です。しかしながら、この現象によって生まれたエレキギターやエレキベースのアンプからのサウンドを刺激的な音として扱い、発展していったのがロックやバンドの文化、ギターアンプやエフェクターといった機器なのです。

以前electro-harmonixの記事を綴った際に、EHXのエフェクター第一号機が『キース・リチャーズやジミ・ヘンドリックスのように刺激的に歪ませるためのブースター』であった事は皆様覚えていらっしゃいますでしょうか。当時のアンプやギターではこうしたクリッピングをさせる、クリッピングを音の加工として使うという手法そのものがあまり技術的に確立させておらず、あまりアンプだけでは歪んだ音を得られませんでした。
上記の黄色い出力波形も、山が数個変形しているのみで、さほど変化は得られていません。
そこで、ブースター、つまりはアンプの手前で音を大きくする装置を差し込むような想定で、回路自体に入る波形を縦方向にを大きくしてみましょう。


大きくした信号が上図の紫色の波形です。そしてそれに対して先程と同じ細く赤い点線の部分を限界値とすると、先程よりも大きく波形が変わり、波形がより四角い形に変化していることが分かるかと思います。これが先程述べた『より刺激的に歪ませた状態』になります。
勿論これはあくまで簡易的な例であり、回路によって波形の変わり方というのはこのようにまっすぐ波形が切られるだけではありません。切られた断面が傾くような形であったり、角が丸いような変化であったりと、真空管、トランジスタ、デジタル処理などどんな方式を使うのか、どんな回路を組むのかによって加工の仕方は様々です。その中で、その加工の度合いや手法によって、オーバードライブ、ディストーション、ファズなどの基本的な歪み、更にこういった概念の応用によって逆に歪ませずに音量を上げるブースターは勿論、リミッター、コンプレッサーなどより専門的に信号の大きさを操るエフェクターも生み出されているのです。

そして歪みを操る方法は入れる信号を調節する、だけではありません。
今度は通す回路自体の限界値を思い切って下げてみましょう。


この限界値の部分を下げる、というのも、なるべく歪みという現象を避けたいオーディオの世界ではまずない概念であり、音量も小さくなってしまうし極端に言えば簡単に歪んでしまうなんて性能は悪い、とも言える部分でしょう。信号の強弱の幅に関してはオーディオではよくダイナミクスレンジと呼ばれ、これが広い程良いとされますが、ギターアンプや歪みエフェクターというのは、オーディオ用の回路と比べてあえてダイナミクスレンジを狭めた特殊な回路、と言い表す事も出来るでしょう。
刺激のある音を求め、ありとあらゆる歪みサウンドが研究されているのがエフェクターの世界。こうして低い限界値で思いっきり波形を変えた物を、今一度再び最初に設定していた細い赤線の限界値まで大きくしてみましょう。


すると先程の先に増幅してからクリッピングさせたオレンジ色の波形とも似た加工が為されています。どちらかと言えば、アンプで歪ませるのではなく、歪みエフェクターを使う、という概念的にはこちらの方が近い場合もあるのではないでしょうか。こう簡略化した例で見てしまうと同じような結果ですが、その実楽器から出た音をどういう風に増幅とクリッピングを行うか、どうやって加工していくかで基本的な音色は勿論、実際に弦を弾く強弱に対する反応も様々に変化する、それがエフェクターやアンプの歪みなのです。

実際に中古買取で高価な歪みエフェクターは?

 

歪みエフェクターは、エレクトリックギターやエレクトリックベースの音作りの要。
付与する音の変化自体は確かにすごく大まかに括れば上記のような変化だけです。しかし、それをどういうパーツを使ってクリッピングさせるのか、どれだけ深く歪ませるのか、そしてさらに歪ませた後にどういう調整をするのかなどなど、その手法が少しでも変わってしまうと違った音の印象になるのが歪みエフェクターの底なし沼。その違いは何より指先の加減に対する反応で奏者自身が最も感じ取れるものであるため、楽器に触れたことが無い方には全く分からないような差異のレベルまで研究され、追及されるのが歪みの世界です。

その中で、中古市場では単に外側から見える機種やバージョンの違いだけではなく、見えない内部パーツの違いなどでもマニアの間では別のものとして区分され、同じ型番でも安価なものと高価なものが混在するような状態となっています。


こちらは何度かこのコラムでも登場している画像、electro-harmonixのBIG MUFF2種になるのですが、左が現行のBIG MUFF、右がノブの配置形状からトライアングルマフと呼ばれている、初期のBIG MUFFのモデルになります。
名称としては同じですし、無論回路図で表すとぱっと見は殆ど同じものです。しかし、中身のトランジスタやダイオード等の素子の違い、また抵抗やコンデンサーなどの数値の違いがあり、実際に操作して演奏する人間からすれば、全く違う音が出ることは言うまでもありません。尤も、この初期型トライアングルマフは作られてから50年以上も経過している上、electro-harmonix自体の初期の製品であるため生産数も多くなく、現存数も少ないため、希少価値だけでも中古市場ではとんでもない価格となっており、同時に弾き比べ、聴き比べしたことある方はそう多くないことでしょう。

さらにこのトライアングルマフも、希少価値だけではなく、そのサウンドでも人気を博しており、なんと2018年には公式からサウンドを模倣し、小型化したモデルが発売されています。趣味嗜好の世界にはなってしまいますが、やはり過去のモデルでしか出ないサウンドに惹き付けられるプレイヤーというのはいつの時代も少なからず現れるもの。そういったプレイヤーにとってはこういった再発は嬉しいニュースであったことでしょう。けれどもこのBIG MUFFに限らず、どんなに似せたリイシューでも現在手に入らないパーツ、大量生産のため現在は行わない手法、様々な工業規格の改定により現在は使ってはいけない部材等が発生するため厳密には違うものとなり、やはりオリジナルの価値というのは高く評価されたままになります。
ちなみにこういったパーツの違いでの区分は本当に終わりが無く、最初期とされているトライアングルマフと呼ばれる括りの中でも、付いているノブの違いで3~4種類程、中身のパーツや定数の違いを区分すれば5~6種類程も違いがあるようです。もしご興味のある方は『BIG MUFF Circuit』で検索すると回路図や、それらをまとめた海外のコミュニティサイト等が出てきますので覗いてみてください。

また中古買取での価値の高い低い、というのはレコードと同じく希少価値と人気によって日々刻々と変化します。特に音作りの要である歪みは、著名なミュージシャンやインフルエンサーなどが使用しているモデルが高価になる例というのは珍しくありません。無論、ギターやベースでの音作りは演奏する手元のニュアンスも非常に重要になるので、憧れのアーティストと同じエフェクターを持ったとしても全く同じ音、にはなりきらないことも確かです。しかしながら、やはり『このペダルがあれば憧れのあの音と同じ音を出せるはず』という心理はプレイヤーたちにとって決して勘違いや空回りなどではなく、寧ろそれを買ったからこそ自分も練習して上手くなればいつかは、というモチベーションにもなります。実際にライブや映像で観て聴いて、単純にあの魅力的な音はこのペダルから生み出されている、と考えただけでも欲しくなってしまう、それがプレイヤーにとってのエフェクターの魔力でもあるでしょう。


そうして著名プレイヤーが使って広まった代表的な歪みペダルの一つが、ARBITER社発売、現在ではJimDunlopから生産されているFUZZ FACEではないでしょうか。
まさにその名の通りスイッチとノブが目と口のような配置、滑らないようにマイクスタンドの底部を使っていたと言われる丸い筐体も相まって、プロレスラーのマスクのようなまさに顔っぽい見た目が特徴的なペダル。こちらはジミ・ヘンドリクスが使用したことで有名になり、現在でもジミ・ヘンドリクスからこのペダルを知った、という方もいることでしょう。

当時のギタリストは他の歪みペダルを使う中、ジミ・ヘンドリクスの唯一無二の演奏スタイル、その頃まだ使用者が少なかったストラトキャスター、いずれも相性が良かったのがこのFUZZ FACEであり、そのサウンドと共に語り継がれる歪みエフェクターの一つであることは間違いありません。その証拠か、現在ではJimDunlopから当時ジミ・ヘンドリクスが使用していた仕様を再現したリイシューFUZZ FACEが発売されています。

ですがリイシューがあってもやはり当時品、こちらもジミ・ヘンドリクスが実際に使用していたのと同じARBITER社時代のFUZZ FACEは中古相場でも超高額、買取額でも6桁が付く程のものとなっています。

さらに、先程もBIG MUFFのコミュニティについて軽く触れましたが、エフェクターというのは愛好家たちの間でも色々な見解や考察が行われ、それらが発信されることにより驚くほど価格が変動する例もあります。


こちらは過去弊社に入荷し、その一例ともなった、日本のメーカーIbanez製SK10 蜃気楼
80年代に某楽器店とのコラボにより、同社のFC10 FAT CAT DISTORTIONをベースにして製作された歪みエフェクターです。
コラボ限定であったため、台数も少なく、希少価値自体はあったものの、2020年ごろまでは5桁台を徐々に高騰してきているような相場でした。

しかしなんとこちらのペダル、2021年に倍以上に跳ね上がり、現在では国内相場も海外相場も6桁台の高価ペダルとなっています。
一体何が起きたのか?それはとあるエフェクターメーカーでの紹介動画がきっかけでした。


JHSPedals。2000年代に登場した、現在日本でもプロからアマチュアプレーヤーまで幅広い人気を持つ、世界的な人気エフェクターメーカーです。
そんな彼ら自身もエフェクターを生産する以上様々な中古エフェクターを研究しており、公式のYouTubeチャンネルでは自社製品だけではなく様々な過去のエフェクターの紹介動画も公開されています。

その中で2021年に公開されたのが、『The Rarest Guitar Pedal Ever Made』と題した、Ibanez SK10の紹介動画。直訳すれば今まで作られた中で最も希少なギターエフェクトペダル、となるわけですが、動画内でも創設者のJosh Scott氏がずっと探し求めていた旨を述べており、それが手に入った喜びと共にそのサウンドを実演と共に解説しています。
こちらの動画が17万回以上再生されているわけですが、その直後に国内のオークション相場でも一気に高騰。おそらくこの動画自体が日本国内でそこまで再生されていないため、あまり高騰していること自体も認知されておらず、国内に現存する数自体も過去に出回った台数よりは多いため国内での希少価値自体は多少海外との差があるとは思います。
しかしながらこのように、国内のマイナーなペダルがマニアの発信によって世界的再評価、価値も大きく変わる例も存在します。そのためある日突然中古相場が変動し、思いもよらぬエフェクターが高価買取となることもあります。

歪みエフェクターの高価買取で注意したいこと


当然ながら高価となる中古エフェクターは、人気もありながらその現存数が少ないもの。エフェクター自体が踏んで使用するものであるため、実際に踏むスイッチは勿論、その他操作のためのノブを踏むと同時に蹴ってしまい破損してしまうことも少なくはありません。
しかし、そんな中で無事にその役目を終え、あなたの部屋の片隅で眠っているエフェクター。それらを少しでも高く買い取って貰うためにはどうしたら良いのか。今一度確認していきましょう。

まずは使わなくなった、動作していた筈の状態でなるべく早く買取に出すことを検討しましょう。オーディオや楽器でもそうですが、使わなくなって放置しておいたら何もしていない筈なのに使えなくなっていた、ということは決して珍しくはありません。やはりジャックや中身の配線などは金属ですし、経年と共に錆などの劣化が生じ、実際使おうと思った際の不具合になってしまうことも多いです。コレクションとしてある程度の周期で手入れをしていて動作も確認している場合であれば劣化も少ないと思われますが、全く触らなくなって長い年月が経ってしまったり、特に電池を入れたまま放置していたりすると電池の中身が漏れ出し、余計に状態を悪化させてしまう事態にもなりかねないので、もしもう思い入れもなく、全く使わないエフェクターをお持ちの場合は、故障せずにエフェクターとしての価値があるうちに、早めに買取業者に相談しましょう。

次に、売る際はエフェクターの付属品を確認しましょう。
基本的に9V駆動の商品が多い歪みエフェクターですが、中には12Vや18V、24Vといった出力の専用のアダプターが必要なもの、そもそも端子形状がよく見られる円筒状のDCプラグではないものなども存在します。そういった商品では、アダプターの有無によって大きく価値が変わる可能性があるため、保管してある場合は必ず一緒に買取に出すようにしましょう。


また、これも一部のエフェクターで気にかけるべきなのが、エフェクターを入れていた元箱。
通常の紙の箱でも勿論付属している方が買取での評価は高くなるのですが、上記写真のような、現在は通常の紙箱ですが一時期のみ木箱入りで生産されていた商品の場合、この木箱が付いていることで付加価値となることもあります。
こういったパターンでは後から箱単体で出てきたところであまり価値を為さず、買取の際では一緒に査定されることが必須条件です。こういったものが残してある場合もなるべく付属させるようにしましょう。


最後に、現代では便利な宅配買取を利用することもあるかと思いますが、その発送する際の梱包はしっかりと行いましょう。
確かにエフェクター自体はその性質上、現存する殆どのものが金属のしっかりした筐体で作られており、箱の部分自体は衝撃にもある程度強いものとなっています。しかしながらその中の回路となれば話は別。回路の素子のはんだ付けが外から加わった衝撃によって割れてしまって故障してしまうことも考えられますし、もっと言えばエフェクターの回路、その基板の固定方法が、基板自体を筐体に固定するのではなく、基板に付いているポットやジャックを筐体に固定するのみで、基板自体はそれらをはんだ付けした部分に支えられているのみである程度以上の衝撃には弱いような構造のものも、小型化している故に多く存在しています。
配送業者自体もなるべく丁寧な扱いを心掛けているとは言え、それでも昨今ではスピーディーな配送が求められる多忙さから多少なりとも荷物に運搬のストレスがかかってしまうことは想像に難くないでしょう。発送のために箱詰めする際は、雑に箱に詰めるだけではなく、なるべく中の衝撃を緩和するように緩衝材を詰めてきちんと梱包しましょう。


いかがでしたでしょうか。
現代も日々過去の歪みエフェクターを参考に、新しい歪みエフェクターが沢山生み出されていますが、実はあなたがかつて使っていたそのペダルは、時を経た今プレイヤー達の歴史において重要な、再評価されるべきものかもしれません。
また新たなステージで活躍すべきそれらを、一度エコストアレコードにお任せしてみませんか?

 

 

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