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オーディオ買取についてのコラム | 中古買取でも一目でわかる奇抜エフェクター、ZVEX(ズィーヴェックス)について

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中古買取でも一目でわかる奇抜エフェクター、ZVEX(ズィーヴェックス)について

2024/02/14

 

デザイン、サウンド共に中古買取で出回る中でも特に奇抜なエフェクターメーカー、Z.Vex Effects。ハンドペイントである通常のオリジナルシリーズと、一部台湾製造のVexterシリーズがあり、前者は非常にユニークなハンドペイントである希少性から中古買取でも高価となることがあります。またそのサウンドにおいても他のペダルでは考えられないようなコントロールを持つものもありひときわ異彩を放つエフェクターメーカーです。
今回はそんなZVEXについて書き綴っていきたいと思います。

 

あの名機は偶然の思いつき?ZVEXの歴史


Z.Vex Effectsの名前の元となった創業者のザカリー・ヴェックス氏は1960年生まれ。高校生の頃に同じ学校の生徒がファズを壊してしまったのをきっかけに自身で初めてエフェクターを製作。その後ミネソタ工科大学にて電気工学を専攻し、1980年代を通じて真空管アンプの製造、改造の仕事に従事することとなります。
また1985年からレコーディングエンジニア・プロデューサーとして活躍していましたが、1994年に耳の不調によりエンジニアの仕事を引退。住んでいた建物からも追い出されてしまいますが、ミネアポリス地域開発庁から運良く移転資金を受け取れたことにより、エフェクターの開発に着手。これがZ.Vex Effectsの起源となります。

そんな中当時エフェクター自体があまり注目されていない中、訪れた楽器店であるエフェクターと出会います。それはなんと知る人ぞ知る日本のメーカー、新映電気(Shin-Ei)のApolloというワウファズ。ヴェックス氏は奇妙なエフェクターだと思うと同時に筐体の蓋に回路図が貼られているのを発見、普通こういった製品においてはどういった回路で作られているかが重要になるため、それをこうして全て秘密を大っぴらにしてしまうなんて!と驚いたようです。
そうして彼は回路図を元に同じものを作成してみましたが、音が非常に大人しく面白くないと感じ、音量を大きくするためのブースター回路とトーン調整を追加し、ZVEXのエフェクター第1号が完成します。これが後のOCTANEに繋がるエフェクターとなるのですが当時の製品はまた違ったものであったようです。
完成した商品を持ってセントポールにある有名楽器店、ウィリーズ・アメリカン・ギターズにいる知人を訪ね売り込みに行ったところ、以前からヴェックス氏にあまり良くない印象を抱いていたその知人は半ば追い返す口実のような形で3機仕入れる事を即答。ヴェックス氏は『音も聞かずに仕入れるなんて聞いたこと無いぞ!』と叫んだそうですが、『大丈夫だろうよ、だって君はレコーディングエンジニアなんだから』と答え、嫌悪しつつもその実力を認めてくれていたそうです。こうしてZVEXのエフェクターの販売が開始されました。

その後ZVEXのペダルは売れはするもののまだ事業として成立するほどではなく、資金も尽きてきて途方に暮れたヴェックス氏でしたがここで先程の知人から『別のペダルをデザインしてくれ』と言われます。
同日、当時倒産した企業からジャンクを回収してパーツを販売していた店を訪れたところ、これまた偶然の出会いがありました。それがZVEXのFUZZ FACTORYを好きな方ならご存じ、最初期モデルに搭載されているスパム缶型のトランジスタ。ヴェックス氏は『なんてかわいいトランジスタだ!』と惚れ込み、最高に可愛いトランジスタで最高のファズフェイスを作ってやる!と意気込みます。こうして一夜でのFUZZ FACTORYの開発が始まったのです。
しかしながらスパム缶トランジスタでそのままファズとして構築しただけでは何も起こらず、安定性とゲートを調整するためのトリムポットを追加します。本来であればそれらを丁度いい所を探った上で回路内に収めてしまうつもりでしたが、これらをそのまま調整できるノブとして残した方が良いのではないかと思いつき、そのまま5つのノブによるあの唯一無二のコントロールとサウンド、FUZZ FACTORYが完成しました。
ちなみにZVEXといえば特徴的なのがハンドペイントでの筐体ですが、当時他メーカーのようなシルクスクリーンでの塗装を行う資金が無かった中、当時のガールフレンドがアーティスト(ここでは絵画の方)であった事から、彼女の家に塗装ブースを作りハンドペイントによって製作されていたのが始まりです。


徹夜でFUZZ FACTORYを開発し、ひと眠りしようとしたヴェックス氏は『果たして起きたらこのサウンドをクールだと思えるだろうか?』と不安になったそうですが、目覚めた後改めてその奇妙なサウンドと制御不能なコントロールの自由さを気に入ります。早速ウィリーズ・アメリカン・ギターズへ持ち込んだところ、知人からは『頭がおかしいのか?ノブを5つも欲していないし、誰もがどう使っていいか分からなくなるだろう』と評されましたが、ヴェックス氏は寧ろ逆で、自分だけの個性的なサウンドを作れた位置に調整するためのものだとしていました。まさにファズの工場という名称はそこから来ているのでしょう。

そうしてたった1店舗の販売から始まったZVEXですが、当時トム・ウェイツやPJハーヴェイの音源に参加していたギタリスト、ジョー・ゴアがFUZZ FACTORY、OCTANE、SUPER HARD ONを購入し、Gruitar Player誌で紹介。そこから他店舗への出荷も次々と決まっていきます。

そうして翌年には既に組み立て業者を雇わなければならない程にまで需要が増大。ハンドペイントのアーティストも現在まで数名が担当してきました。しかしながらヴェックス氏はZVEX自体をあまり大きくしようとはせず、あくまで事業として継続することを優先し、現在でもオリジナルのハンドペイント製品自体はミネアポリスのオフィスで少人数体制で生産されているそうです。
しかしながらハンドペイント品自体は高価になってしまうため、もっと一般的に手にしやすくするために、台湾のメーカーと提携し、シルクスクリーン筐体でコストダウンしたラインナップを追加。それが現在国内の楽器店などでもよく見るタイプのVexter Seriesです。当初は台湾での生産に周囲からの反対もあったようですが、結果的にはそのサウンドのみを求める人には手に入れやすく、それでも個性としてハンドペイント品を求める方も少なからずいる現状を見れば成功だったと言えるのではないでしょうか。

現在ヴェックス氏は63歳。今もなお自身も開発設計などの業務に関わりながら、この超個性的メーカーで奇抜な製品を生み出し続けています。

唯一無二、ZVEXの特徴

先程から奇抜、という言葉を何度も使っていますが、まさにZVEXの特徴がそこにあります。ザカリー・ヴェックス氏も『私のビジネスはできるだけ奇抜な事をして報酬を得る趣味のようなもの』と実際にインタビューで述べています。今でこそ他メーカーでも横長にケースを使ったエフェクターは他にも存在していますが、基本的に横長に使う、というメーカーはZVEXくらいでは無いでしょうか。またそのエフェクトの中身も先程歴史の中で登場したFUZZ FACTORY、そこから7ノブになりトランジスタが見える窓が付けられたFUZZ FACTORY 7、金属板のセンサーで手足との距離で音を変化させるFUZZ PROVE、ろうそくの光をエフェクトに使用したショーモデルとして製作し、それをもとにペダル化した VIBROPHASEなどなど…こうして簡潔に文面にするだけでも、知らない人からしたら何それ!?となってしまいそうなものが沢山あります。


またそれらはVexterシリーズとしてシルクスクリーン印刷での大量生産モデルもありますが、やはりペダルマニアならば一度は手にしたいのがオリジナルのハンドペイントのモデル。これらは勿論少数生産であるためVexterシリーズと比べて高価であり、さらにZVEXは代々様々なアーティストがハンドペイントを手掛けているため中古市場で見れば様々なデザインが存在し、そのどれもが個体数的にも希少となっています。日本国内の場合本国への送料がかかりますが、基本的にハンドペイント品はZVEX自身での修理が無料。つまりは中古でジャンクで手に入れたとしてもまたそれを使用することが出来るサービスを整えている懐の広さも、ZVEXの特徴でしょう。ザカリー・ヴェックス氏はそういった手厚いカスタマーサービスや中古品への配慮をすることでコピーされがちなエフェクターの世界でZVEXのオリジナル品としての価値を示すとともに、逆に回路図そのものを公開していくことでエフェクターの回路設計の世界をさらに盛り上げていくような活動もしています。

そういったエフェクター愛とユーモア溢れるスタイルもあってか、日本の楽器店が特注でオーダーしたハンドペイント品なども存在しています。そういったオーダーでもZVEXらしいポップさがあり、多数のペダルマニアを惹き付けています。

ZVEX高価買取の際に注意したいこと

ZVEX製品と言えばやはりハンドペイント。その特徴的な見た目で求めるプレイヤーも中古コレクターも沢山いるブランドになりますが、そうなるとやはり注意したいのが買取の際の傷や破損。地面に置いて脚で踏んで使うもののため使っているうちに傷がついていくのは当然なのですが、やはり中古買取の際に少しでも高価に、価値を維持したいのであれば発送などによるダメージは最小限に抑えたいところ。宅配買取などで梱包する際はバブルシート(所謂プチプチ)などで包み、箱の内壁や同梱した他のエフェクターと当たって現状以上に傷がつかないよう、丁寧に取り扱いましょう。


また、Vexterシリーズよりハンドペイントの方が希少価値もあり元値も高価なものではありますが、様々な機種、そして様々なペイントがある分買取価格はそれぞれ異なってしまいます。また外見だけでなく、機種によっては使われているトランジスタの違いなどで人気や中古での価値が変わってしまいます。その為事前に電話やメール問い合わせたり、自身で調べたりする場合はあくまでそれらは参考価格であり、多少の変動はある前提で考えておきましょう。


いかがでしたでしょうか。唯一無二の個性を持つZVEXのエフェクター、やはり個性を出したいギタリストは数多くいることから中古でも根強い人気を持つメーカーです。あなたの個性の一端を担ったペダルを、エコストアレコードでは丁寧に買取させていただきます。

 

 

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